ロックンロールの宝石箱

フェスに行かない、ライブにも行かないインドア派ロックオタクの備忘録

雑記 V系あるある言いたい<鴉と誤解編>

 V系あるある言いたい<鴉と誤解編>

HM/HRとかV系の世界観って、踏襲された様式美ってのがあるんですよ。

当然、その歌詞にも、様式美が貫かれていて、単語のチョイスに、俗にいう「あるある」があるわけですな。

 俺自身、V系ロックの「歌詞あるある」について、こういうのあるよなあ、って思ってたんですわ。

XJAPAN、BUCK-TICKあたりが源流と言われる時代から現在まで、V系をかれこれ30年聴き続けてきました。

いざこの雑記を書くにあたって自分の記憶をたどったところ、意外と誤解が多かったことに気づいたわけです。

 

『歌詞に鳥、特にカラスが登場しがち』の誤解、すべて誤解だ

 自分の居場所がない日常から逃避したいV系諸氏にとって、鳥は憧れの存在だ。

よって、「鳥」「翼・羽」というキーワードは、実際多く使用されている。

ただ、他の音楽ジャンルでも「鳥」「翼・羽」というワードは結構使われているだろうと推測される。

ならば、中二病チックで死を連想させる漆黒の鳥「カラス」は?

…実は意外と少ない。

 

思いつくところで言えば、linch.、蜉蝣、the gazette、DIR EN GRAY、己龍、plastic tree、カリ≠ガリがタイトルや歌詞でこの鳥を取り上げているのですが………

GLAYラルクルナシー、X、BUCK-TICKといった活動が長く、作品数が多いバンドでも見かけることができない鳥であったことが判明しました。

SADIEやMERRY GO ROUND、黒夢、といった、死をモチーフにすることが多いバンドでもカラスは出てこない…

V系=カラス出しがち、は俺の誤解だったようです。

 

で、カラスを登場させていないV系バンドで、特に意外だったのが、ムック。

ムックの歌詞はけっこう生き物が多く登場(鳥、犬、金魚、コオロギ…)するんですが、意外にも、カラスが歌詞に出てくることはないんですよ(Vo.の達瑯はカラスっていうバンドやってたりしますがね…)。

 

ちなみに、水槽などで飼われる不自由の象徴として「魚」もモチーフで使われがちだったりするのかな?と思いついたんですが、それほどでもない。

思いつくところでは、ムック「蘭鋳」、ルアージュ「エンジェルフィッシュの涙」、カリ≠ガリ「マグロ」…魚の種類はバラエティに富んでますが、やはり不自由な生き物の象徴として描かれがちですな。

 

 …たったこれっぽっちの記事なんですが、書く作業より、思い出す作業の方に時間がかかって、楽しさ半分・苦しさ半分といったところです。

人間50も近くなると手の方も記憶の方も衰えてくるもんですな…

雑記のタイトルに「V系あるある言いたい」って謳ってるのに、ぜんぜん「あるある」になっていない…

 

…というわけで、俺自身、V系あるあるについては語り切れておりません。

近日改めて「天使と地の底編」にて語らせていただきたく存じます。

 

マイフェイバリットナンバー(動物が登場するV系の曲編)

 

ムック「雨のオーケストラ」:『濡れてしぼんだネコ 君に重ねて』『木陰の鳥達 空を待ちわびてる 生憎僕はこの雨、嫌じゃない』…達瑯、天才!中二病の鬱っぽい世界観で詩を書かせたらこの業界で五指に入る文才。「濡れてしぼんだネコ」ってフレーズは思いつかないよなあ。で、また、曲もいいんだよ。ムックの曲で一番好きです。

 

大祐と黒の隠者達「嘘と迷路」:これについては語るだけで悲しくなる。蜉蝣のVo.大祐のラストアルバム「漆黒の光」に収録。自殺のため夭折してしまう大祐の未完成アルバムを所縁のあるミュージシャンたちが完成させるという逸話も泣かせる。間違いなく当時のV系ロックの到達点であり、V系ロック史を語るには外せない名盤。『真実を叫べば 鴉の群れに追われ羽根を奪われる』「カラス」を「鴉」と表記しているのは流石、大祐。

 

BUCK-TICK「love letter」:彼らの大傑作アルバムの1つ「six/nine」に収録。ギタリスト今井寿の「らしさ」が曲と歌詞に反映されている。囁き絞り出すように歌う櫻井敦司と重いギターリフがハマる。プロモの映像もカッコイイ。『i wanna be like your dog』犬が歌詞に登場。

 

ルアージュ「angel-fishの涙」:vo.kazushiのビブラートを効かせた歌い方が泣かすんですよ。『幾億の涙をそそいで さかなになって 幾億の傷を癒して』このテの泣かせ系をやらせると抜群にハマるんだよなあ、このバンド。才能ある人たちが集まってたバンドだけど活動休止しちゃったね。vo.kazushiのエヴァンゲリオン愛が、痛い(笑)。

 

hide with Spread Beaverピンクスパイダー」:V系ロックのスタンダード。これを知らずにV系を語るとかありえない。大天才hideの代表曲。たくさんのバンドがカバーしてるけど、この曲については本家を超えられない。生きていたら今どんな曲を聴かせてくれただろうか。毎年5月が来ると、彼が亡くなった年齢と自分の年齢を重ね合わせて、自分が歳をとったことをかみしめるんですよ。ホント、いろんな意味で切ない。

 

 

 

B'Z ビーズ

好んで泥水をすすって巨大になったロックモンスター

 

なんか、B’Zって商業ロックの申し子みたいに言われてるじゃない。

ここで言われる「商業ロック」って、悪口だよね。

アート志向の高いロックファンからそういう陰口って耳にすることが多い。

 

「ロックたるもの大衆に迎合せずアートとして最先端を切り拓かなくてはならん」

みたいなことなのかしら。

…まあ、分からなくはない。

俺たちロックファンは、常に新しいものを求めてるし。

 

でも俺なんかはむしろ、消費者に向けてマーケティングをきっちりやり込んでるアーティストの方を評価するけどね。

特にB’Zは、その才能にとっても長けている。ロックの分野じゃなくても成功を収められる器量を持ってる。

 

自分たちを売り込むために、当時流行していたユーロビート調の曲を作って、ディスコに営業をかけまくって、彼らの当時の名刺代わりにもなった初期の代表曲「バッドコミュニケーション」の逸話はあまりにも有名だ。

 

知恵を絞り、自分で汗をかき、泥臭いのし上がり方をしてるんだけど、それだけじゃないんだよね。

まずマーケーティングの才能が優秀。それを具現化できる才能とテクニック。長く続けられる人間関係の構築。

能力と努力と方向性(ビジョン)が見事に掛け算されてる。

苦労をしているのは間違いないけど、泥水をすするのもこの人たち、好んでやってるよね、って。

 

こういうのすごく好きだなあ。

売れなくて、グズグズ言ってるミュージシャンとの差がここだよね。

そういうミュージシャンって運だのみの大バクチにすがってるだけだよ。

なんかアーティストの幻想ってのを、ロックファンもミュージシャンも抱いてるんだろうね。

売れなくていいのならば、グズグズ言うはずないもん。純粋に音楽を楽しんでるだけの人たちなら。

ロックスターになりたいならば、自己プロデュースやらマーケティングは必須ってのが、俺の持論だ。

 

…と、ここまで語ってきたけど!

俺ね、松本孝弘の作る曲も稲葉浩志の書く歌詞も、大・大・大好きなのよ!

今までの人生で、彼らの曲に背中も押してもらったねえ。

 

マイフェイバリットナンバー

「衝動」:稲葉浩志の書くラブソングは、女々しくて情けない内容のものが多いが、この曲は前向きなラブソングとなっている。松本孝弘の疾走感のある曲とギタープレイがさらにその前向きさに説得力を与えている。

 

「グローリーデイズ」:稲葉浩志松本孝弘の絆について描かれた曲。ラブソングは情けない内容のものが多いが、男同士の友情や絆、夢と信念を描かせると抜群の力を発揮する。彼らの人間性や関係性がそうさせるのだろう。

 

「スプラッシュ」:松本孝弘の色気がビンビンに伝わるロックンロールナンバー。本来ロックが持っているはずだった、背徳感やバイオレンスが詰まっている。ギターリフがメチャメチャかっこいい。

 

「THE LOOSE」:「ギリギリチョップ」なんかもこの系譜の曲なんだが、人生の袋小路にしょっちゅう迷い込む自分が、周囲の常識論に小突かれてさらに焦るんだけど、逆ギレして「いいじゃねえか!勝手にやらせてくれよ!」てなるやつ。松本孝弘の早くてグルーブ感のある曲が、歌詞をよりコミカルに料理する。B’Zの真骨頂。

 

「RUN」:B’Zにおいて、夢と信念を描く曲の代表格のナンバー。センチメンタルで速い曲に乗せて、夢・不安・信念・覚悟を歌う。

夢を追うために覚悟を決めた人生は、小さな希望の光を目指す不安な旅だが、信念と絆で進んでいくしかないのだ。「YES、自分は間違ってない」…ってこれはプレジャーの歌詞だね(笑)。

彼らの矜持が詰め込まれた曲でファン人気も高いが、俺自身もこの曲に支えられることが多い。

 

 

 

 

Mr.children ミスターチルドレン

ビッグネームは海外進出すべきか

 ミスターチルドレン、好きですねえ。

曲ももちろんいいのですが、やはり桜井和寿の書く歌詞ですよ。

 

歌番組なんかでいろんな歌手の音楽を聴いててね、曲が良くてもね、歌詞がダサかったりするとがっかりするんですよ。俺だけですか?

リア充的な歌詞というか、よくある言い回しの歌詞ってあるじゃないですか。

「いつでもそばにいるよ」とか「君だけを見てるから」とか「今この瞬間がすべて」とか…

…まあね、このテのありきたりとも思える歌詞こそが、普遍的で、だからこそたくさんの人たちから支持を受けるんだろうな、とは理解はしているんですがね…

 

しかしね、俺としては

「もっと、こう、違う言い回しを使っていこうよ!?アーティストなんだし!」

って常々思うわけですよ。

 

そこに来て、冒頭のように思うわけですよ。

櫻井和寿の書く歌詞が好きなんですよ。言葉のチョイスが非凡なんですよ。

 

 

日本語の言い回しがとにかく美しい。

日本語をこれほど美しくロックに乗せるってのは、これこそアートですよ。

櫻井和寿はこのジャンルでは日本屈指の技巧派ですよ。誰が何と言おうと。

 

ところでね、ちょっと前まで、日本である程度成功を収めたミュージシャンって世界進出する傾向があって。まあ、最近は減ってきたけど。

あれ、うまくいったためしがないよねえ。

「日本制覇したから、次は世界制覇だ!」ってなるんだろうね。

ただ、まあ、最近になって分かってきたことではあるけど、わざわざこっちから出かけなくても、需要があれば勝手にあっちからオファーしてくるんだよね…

 

 でもね、思うわけですよ。

世界で通用しないから、「日本人のやるロックは劣っている」「欧米の方がレベルが高い」という考え方って、とっても、つまんないことだなって。

だってもったいないでしょ。

日本は独自のロックとして進化してるんだから。これはもっと誇るべきだよ。

 

音楽って、「音」を「楽」しむことじゃないですか。

演奏する人も聴く人も、もっと楽しめばいいのにねえ。

 

よく、J-POPは歌詞で泣かすしか能がないって小馬鹿にする人がいるけど、それでもいいじゃん?

その音楽が必要な人がいるわけだから。ここに。

…冒頭でリア充ソングの歌詞をディスった人間が言えたことではないんですがね…

 

三国志で言う「天下三分の計」でいいじゃないですか。

日本で天下を獲ったんだから、わざわざ今まで武器にしてきた日本語の歌詞を捨ててまで、世界に挑戦しなくてもいいじゃん。

 

 ミスチルが世界進出するっていうハナシは聞かないけど、むしろ安心するよ。

櫻井和寿には、もっともっとたくさん美しい日本語のロックを紡いでもらいなあ。

 

 

 

マイフェイバリットナンバー

 

名もなき詩:「あるがままの心で生きようと願うから、人はまた傷ついてゆく 

知らぬ間に築いてた自分らしさの檻の中でもがいてるんなら

誰だってそう、僕だってそうなんだ」

 

 ヒプノシス:「今日も見果てぬ夢が 僕をまた弄んで 

深い深海に沈んだ希望をチラつかす 叶うならこのまま 夢のまんま

もう現実に引き返せなくたっていい いつか新しい自分にまた出会えるまで

そうさ終わらぬ夢のその先に 僕は手を伸ばす」

 

SINGLES:「悲しいのは今だけ 何度もそう言い聞かせ 

いつもと同じ感じの 日常を過ごしている それぞれが思う幸せ

僕が僕であるため oh I have to go oh I have to go」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雑記 V系の受難

V系の受難

ヴィジュアル系って、いつのまにかV系って呼ばれるようになったね。

まあ、「ヴィジュアル系」って言葉自体が、もともとは蔑称だからね。

 

このジャンルを支持する人たちにとっては「V系」のほうが都合がいい。

「俺、ふだんヴィジュアル系、聴くんすよ」ってのと

「俺、ふだんV系、聴くんすよ」ってのでは

カミングアウトする方としては断然、後者の方がいいんですよ。

言葉の文字数が少ないから、恥ずかしい時間が短いのだよ。

しかも「ヴィジュアル系」って言葉を出した時点で、

「お前の見た目で、『ヴィジュアル』とかぬかしてんじゃねえ」って

思われてそうで、口にするのはためらわれる。

 

…と、まあ、V系は、やってる方も支持する方も、迫害されてると思うわけですよ。

 

で、迫害される理由。

<その1>中二病みたいな見た目

金髪、銀髪。黒っぽいアニメキャラみたいな衣装。メイクにカラコン。女装のメンバー。意味ありげなポージング。暗い背景のアー写

よくアンチの人たちが、ロックをやるには過剰なルックスだ、とか、歌で勝負できないのか、とか言うけど、V系の場合、見た目も表現の1つだから。

俺から言わせれば自己プロデュースの力がずいぶん長けてて頼もしいと思うくらいだけど。

まあ、アンチの人たちはたぶん、自己陶酔全開の引きこもりみたいな雰囲気が嫌なんでしょうね。

 

<その2>中二病的な歌詞とアニソン、メタル経由の曲調

歌詞のほぼ7割は、世界に絶望して自分の中に閉じこもる的な内容か、退廃的なサドマゾゴシックな倒錯したラブソングだ。

鳥、特にカラスが多く登場する。「僕をここから連れ出して」みたいなワードもよく出てくる。

※書いてて面白くなってきたので、そのうち別の雑記で「V系あるある」やります。

曲調はHR/HM系の暗くて速いやつ。アニソンとかゲームミュージックとも近い。

洋楽ロックマニアの人たちは、メタルおよび歌謡曲/演歌を馬鹿にする傾向があるよね。

まず、日本の音楽と英米の音楽の違いって、言葉とコード進行とかメロディラインでの半音とかのずれなわけでしょ?

これが理解できない日本人の音楽センスは白痴だっていうのは乱暴だよ。

コード進行とかメロディラインの違いはその国の文化だから。

英米文化の大多数が認める音楽が優れていて、少数民族のやってる音楽はダサい音楽だって、言ってるようなもんでしょ?

まあ、百歩譲って、英米のアーティストは音楽的感覚が優れていて、いつも画期的で最新鋭の音楽を提供しているから素晴らしいということにしよう。

でもな?

それはアーティストの感覚がイケてるだけで、それにぶら下がって、こっちのことを馬鹿にしてるテメらは全っ然イケてねえからな?!

…まあ、これについては言い足りない部分もあるので、またあとで語らせてもらおうかな(こればっかりだな…)。

 

<その3>ファンが痛い

ファンに中二病で引きこもり気味なコミュ障が多いのは事実。それとは別にバンギャと言われる少女たちはマナーが良くない子もいるし、あと、ライブ当日はコスプレイヤーが一般人に迷惑をかけることもある。

ファンがこのジャンルを貶めている一面があることは否定できない(それはジャニーズやエグザイルやAKBのファンにも言えることなのだが)。

 

とまあ、V系が迫害を受ける理由はこの3点じゃないでしょうかね。

ただ、この3点って、裏返してビジネスとして考えると、強みに換えることが多いんだよねえ。

見た目や音楽の世界観って、日本発祥のアニメやゲーム、フィギュアといったオタクコンテンツと親和性が高くて、これと組み合わせると、オタクコンテンツ業界もV系業界もお互いを補い合って儲かっていくと思うんだけどなあ。

ラルクハガレンだけで終わっちゃってるのがもったいない。

普通の見た目のバンドの兄ちゃんがアニソン歌うよりも、V系のやつらがキメて歌う方が外人は喜ぶと思うんだけどな。

と思うのだが、アニメ主題歌の枠を声優の人たちに獲られつつあるのは痛い失点だね。

もっと、営業かけなきゃ!…いや、もう遅いのか…

アニメといっしょにヴィジュアル系を輸出できるチャンスを失ったよね。

 

ファンの熱狂ぶりと痛さは、ある種、阪神ファンとかフーリガンとか日本のハロウィンみたいなもんだから、これも「炎上」で悪目立ちさせて世界に発信しちゃえば宣伝になるじゃん?

 

…ね?V系の失地回復できなくないんだよ。もったいないねえ。

 

とは言え、ね?

俺たちにとってはね、

この人たちが歌う世界観じゃないと、自分のハートに届かないのさ。

カッコつけの中二病ソングと罵られようが。

リア充の人たちの歌うラブソングとか自己肯定ソングとかは、自分とは違う世界すぎて、聴けば聴くほど、苛立つし、気落ちする。

V系の演奏ってる中二病みたいな音楽が本当に必要な人っているんだよ。ここに。

だからな?

ほっとけって。俺らのことは。

「明日こそはと生きてて迷惑かけたか?」(hide:「damege」より)

 

 

マイフェイバリットナンバー

マリスミゼル「オルヴォワール」:ヴィジュアル系にゴシックを持ち込んだ革命的なバンド。GACKTが在籍した。この曲ができるまでのメンバー同士の激しい紆余曲折が想像もできないセンチメンタルな曲。秋に必ず聴きたくなる名曲。

 

the gazette「FILTH IN BEAUTY」:ネオヴィジュアル系の1つの到着点、金字塔ともいえる名曲。ダンスやヒップホップの要素を取り入れながらもハードロックに仕立てあげた。それまではDIR EN GREYのフォロワーの1つとされていたが、この曲の成功で人気を不動にした。

 

X JAPAN「X」:今でこそV系は内向的なオタクの音楽だが、この人たちはどっちかというと暴走族寄り。間違いなくV系の源流だが、この人たちのヤンキーの血が少しでも残っていたらV系はもっと違う風景が見れたかもしれない。ファンの「Xジャンプ」が見れることで有名な曲だが、歌詞も曲も、バイオレンスな香りを漂わせて最高にイキがっていて、気持ちのいいナンバー。

 

黒夢「LIKE @ ANGEL」:若き日のボーカリスト清春の才能が疾走しまくったバンド。退廃と耽美と狂気がコンセプトのアングラな感じのバンドだったが、この曲を境にパンクバンドへと変貌を遂げる。初期のV系然とした曲から後期のパンクの曲、すべてにおいて勢いに停滞がない。清春本人のパーソナリティがより反映された曲。

 

カリ≠ガリ「ブルーフィルム」:「密室系」とも呼ばれ、V系の中でも異形の部類に入る。天才肌のギタリスト(ギターテクニックはアレだが…)桜井青の存在抜きでは語れないバンド。「ゲイ」「ドラアグクイーン」「エログロ」「発狂」といったアングラやマイノリティをコンセプトにしているが、見た目のカオス感がセンス良く突き抜けている。ゲイ同士がピンク映画館で情事に溺れながら傷を舐め合うという内容の歌詞と、アップテンポで明るめの曲調が、センチメンタルな気分にさせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

氣志團

綾小路翔イケメン伝説

 

綾小路翔氏のインタビューの言葉で大好きなのがあって

 

「どうせ実力はニセモノなのだから、一気に行けるところまで行って、ダメだったら死ねばいい」「メッキを塗って塗りまくろう」

ってやつ。

もう、すごくシビれるよね。

 

自分の弱さを自覚してなきゃ言えない。

自分のできることを自覚してなきゃ言えない。

自分のやりたいこととやりたくないことを自覚してなきゃ言えない。

自分が行きたい場所を見つけて、決めて、そこに行く意思がなきゃ言えない。

自分のセンスを信じてなきゃ言えない。

 

メッキを塗りまくって、たどり着いた場所が今の彼の地位でしょ?すごいよね。

ロックンローラーとしても男としてもイケメン過ぎる。

たぶん彼自身も今いる場所までたどり着くことまでは予想してなかったと思う。

彼が目指す楽園ってのがきっと彼の中にあって、そこを目指すうちに、予想以上の出来すぎた今の場所にたどり着いたんじゃないかな。

最初から自信があったら、冒頭のようなセリフは出てこないよ。

彼が自分の弱さを肯定しているところもイケメンなんだよなあ。

 

「俺は、ニセモノがどこまで続けられるのか実験している。世の中の大したことない奴、クズ、見てるか?尊敬していいのは俺だけだ」

これも大好きな言葉。

字面だけだと、イキがったセリフだけど、彼にとってはこれからもまだ「実験」なんだね。

確証とか驕りがない。イキがりながらも背中では冷や汗をかいてるんだろうなあ。

俺たちクズにこういうエールを送れるのは、彼みたいな男だよ。

だからこそハートに響くんだよね。

 

マイフェイバリットナンバー

「キラキラ!」:安達哲の同名のコミックスを読んでいるとさらに心に響く。泣ける。

ONE NIGHT CARNIVAL」:超メジャー曲。歌詞に遊びが多くニヤリとできる。

「黒い太陽」:若さゆえの焦りをテーマにした名曲。

「我ら思う故に、我ら在り」:仮面ライダーゴーストの主題歌。PVが泣ける。

「ROKET DIVE」:故hideのカバー曲。綾小路翔の声がハマっている。しかも曲中で原曲を完璧に超えている箇所があるんだが、それは聴いて確かめて欲しい。

 

電気グルーヴ

 

 

マスコミ、特にTVの報道姿勢に物申したい

 

ピエール瀧のコカイン騒動で、相方の石野卓球の一挙手一投足にまで注目が集まってますなあ。

 

ピエール瀧のここ近年の人気ぶりはすごいもんね。

そこにきてコカインで逮捕になったら、てのひら返しで総叩きだもんね。

 

とくにテレビを中心としたマスコミの連中からの扱いがひどい。

まあ、見ていられない。チャンネルを変えるもん。

あれだよね、テレビドラマ「リーガルハイ」の名台詞を思い出すよ。

“本当の悪魔とは、巨大に膨れ上がったときの民意だよ。自分を善人だと信じて疑わず、薄汚い野良犬がドブにおちると一斉に集まって袋叩きにしてしまう。そんな善良な市民たちだ”

まあ、ホント、コメンテーターの連中が偽善者ヅラしてね。

「お前が言うの?へえ?」って笑っちゃった。アノ人とか、アノ人とかね。

 

で、卓球のコメントなんかもあげ足とられて、なんなら、瀧よりもひどいこと言われてたよね。

それに対する卓球のマスコミを小馬鹿にしたユーモアセンスっていいよね。溜飲が下がるっていうか。

まあ、マスコミって何様なんだろね?「巨大に膨れ上がった民意」って言葉ぴったり。

そもそもロックやってるやつらを「飼いならしてる」って思いこんでるフシがあるよね。大金出してテレビに出してやってるって。大きな勘違い。

飼いならしてるつもりのペットがちょっと暴れたら、袋叩き。

あんたらのやってることも十分、人として恥ずべきことだぜ?

悪いことを糾弾・問題提起するのも役目なんだろうけどさ、人をいじめるのもたいがいにしとけよ?ってね。

 

ところで、ピエール瀧の逸話を思い出したんだわ。記憶ぼんやりだけど。

大槻ケンヂが著書の中で瀧との青春時代を回想するんだけど、いい話でね。

自分の将来について不安に感じているオーケンが、ドラえもんかなんかの格好のステージ衣装を着てた瀧に

「お前、将来どうするんだ」って聞くんだよね。すると、

瀧が「俺か?俺はずっとこのままなんだよ」って返すんだわ。

で、その後、青春時代にドラえもんの格好でステージに出てたやつが、おっさんになってもケンタウロスの格好でステージに出てて、20年近く経っても全く変わっていない瀧にオーケンが感心するっていう。

 

コカインは確かに悪いことだ。

なぜなら人間を徹底的に堕落荒廃させ立ち直ることも難しくさせるからだ。それが横行する社会は闇だ。

人としての進化はなくなり、怠惰と薬への渇望が蔓延して、犯罪のはびこる世の中になることは明白だ。

だからその法を犯した者が捕らえられ、罪を償うのは当然だろう。

 

「俺か?俺はずっとこのままなんだよ」

俺たちファンも、ずっと変わらない瀧や卓球が好きだ。

犯罪からは足を洗ってほしいが、他は今までと変わらない彼らであってほしい。

唯一の救いは、卓球が瀧を一言も責める発言をしていないことだ。

この事件を機に、彼らの関係性を再確認した俺たちはある意味安心した。

 

・・・ところでさ?やっぱりマスコミの連中って、瀧とか卓球がヒット曲を出せば、槇原敬之の時みたいに持ち上げるんだろし、永眠しましたなんてことがあれば、内田裕也の時みたいに白々しいきれいな音楽とナレーションで追悼するんだろうね。

巨大な民意なのか?ホント、コロコロ都合よく変わるよねえ?

 

俺か?俺はずっとこのままなんだよ。なんて(笑)。

 

マイフェイバリットナンバー

「BOLCANIC DRUMBEATS」:フロアをダンス地獄に叩き落すドラムンベースナンバー。

「N.O」:ファン人気ナンバーワンとも言われる初期の曲。

「シャングリラ」:電気グルーヴで最も有名な曲。

「JOE」豊富なサンプリングによる仕掛けが笑える名曲。センス抜群。

「ザ・ケトルマン」♪ハゲてるからってカツラはねえじゃん 一生そのままハゲてりゃいいじゃん 電気グルーヴの真骨頂。

GLAY

好きで悪かったな

 

本日はGLAYについて語ります。

説明不要の超メジャーバンドである一方、認知度が高いがゆえにアンチもとっても多いですな。

出発点がビジュアル系だったこともあり、そこも叩かれる要因だったりしますね。

(※V系の受難については別の機会に語りたいと思います)

やれ「ロックバンドなのに売れ筋志向だ」とか「愛とか夢とか語るな」とか「歌い方や演奏の仕方や服装がカッコつけすぎ」とか。

アンチの人たちが使う、自分たちが嫌いなものに対しての「~べき論」って、耳障りが良くない。

ホントね、こういうアンチの人たちに対しては

「ほっとけ!!」

って言いたい。

「こっちは好きで聴いてんだよ、俺らはこれじゃなきゃダメなんだよ!悪かったな、バカ!」

…まあ、このへんにしときますか。

 

こんな私でも、夫となり人の親になったわけですが、この人たちの曲で最も好きな曲と言いますか、自分を表すテーマソングとも思っている曲がありまして、

BEAUTIFUL DREAMER」っていうんですけど。

 

♪「時の速さに流されぬよう、強く握りすぎて壊したものはオマエだったかな…」

っていうフレーズに、当時の夫婦関係に思い当たることがありぎょっとしたりするんですが、歌詞の一字一句が自分自身にすべてあてはまる大切な曲です。

で、タイトルが「BEAUTIFUL DREAMER」ですから。

 

TAKURO氏の著書「胸壊」を読むと、この曲に限らず、歌詞の内容が彼の体験やバックボーンを元にして書かれていることが分かるわけですが、他人の人生感なのにもかかわらず、こんなにも共感できる部分が多いことってそうはないでしょう。

 

私は好きなんですよね。TAKURO氏の楽曲をカタチにするこのバンドのことが。

 

マイフェイバリットナンバー

BEAUTIFUL DREAMER」:個人的に思い入れが強く、私を体現する楽曲。

Winter,Again」:GLAY版・雪国。歌詞も曲も重苦しくも美しい。

「南東風」:同郷のYUKIとのコラボ楽曲。「Winter,Again」とは対照的なラブソング。

STAY TUNED」:能天気でアップテンポのラブソング。誰もが夢見るバケーションナンバー。

「つづれ織り〜so far and yet so close〜 」:ファン人気の高いバラッドナンバー。